「ホームページを作りたいです」
「チラシを作りたいです」
「営業資料を作りたいです」
ありがたいことに、そういった相談をいただくことがよくあります。
個人事業主の方や、ひとり社長の方。これからサービスを広げていきたい方。紹介でつないでいただいて、お話を聞かせてもらうことも多いです。
ただ、実際に話を聞いてみると、制作物を作る前の段階で止まっているケースが結構あります。
サービス設計がまだまとまっていない。
誰に何を届けるのかが、まだ言葉になっていない。
自分のサービスを説明する資料も、特に持っていない。
そんな状態からスタートすることが、けっこう多いんです。
もちろん、ホームページやチラシ、営業資料を作ること自体は大事です。
でもその前に、まずやっておいたほうがいいことがあります。
自分の事業コンテキストを、一度まとめておくこと。
……と言われても、
「事業コンテキストって何ですか?」
となる方もいると思います。
めちゃくちゃざっくり言うと、僕は「自分の事業を説明するための背景情報」だと思っています。
サービス内容だけではありません。
誰に届けたいのか。
なぜその仕事をしているのか。
どんな思いがあるのか。
どんな経験があるのか。
何が得意で、逆に何が苦手なのか。
そういう、自分の事業を理解してもらうために必要な情報一式です。
AI時代になって「コンテキスト」という言葉を聞く機会は増えましたが、要するに「判断材料」みたいなものだと思っています。
AIに渡せばアウトプットの質が上がるし、人に渡せば説明や紹介がしやすくなる。
だから、制作物を作る前にまずここをまとめておくと、かなり楽になるんです。
今日はこの話をしてみます。
制作物を作る前に、サービスの言葉が必要になる
ホームページを作るにしても、チラシを作るにしても、営業資料を作るにしても。
結局、最初に必要になるのは「その人が何をやっているのか」です。
どんなサービスなのか。
誰に届けたいのか。
どんな価値を提供しているのか。
なぜそれをやっているのか。
ここが整理されていないまま制作に入ると、途中でかなり苦しくなります。
デザインを作っても、なんかしっくりこない。
文章を書いても、なんか違う。
見た目は整っているのに、なぜか自分のサービスとして腹落ちしない。
こういうことが起きます。
実際、以前ホームページ制作で1年くらいかかった方がいました。
何度も形にしようとしたけれど、どうしてもしっくりこない。最終的には、そのホームページのデザイン自体を一度閉じることになりました。
これ、デザインが悪かったというより、そもそも自分の中で決まりきっていない状態で制作に進んでしまったことが原因だったのかなと思っています。
自分が何のためにそれをやるのか。
今、本当にやりたいことは何なのか。
誰に、どんな価値を届けたいのか。
そこが言葉になっていないと、制作物はどうしても迷子になります。
ホームページ作る前に、そもそも中身が決まってないんかいwww
……ということです。笑
AI時代だからこそ、「自分の説明書」が必要になる
これからの時代、AIを使って制作物を作ることはどんどん増えていくと思います。
文章も作れる。
画像も作れる。
構成案も出せる。
営業資料のたたき台も、ホームページの文章も、SNS投稿も、AIに頼めばかなりのところまで作れるようになってきました。
でも、ここで大事なのが。
AIは、こちらが渡した情報をもとにアウトプットを作るということです。
自分の事業内容。
ターゲット。
サービスへの思い。
過去の経歴。
強みや苦手なこと。
そういう背景情報を入れてあげると、AIのアウトプットは一気に良くなります。
逆に、毎回そこを説明しないまま「いい感じに作って」と言っても、出てくるものはどうしても浅くなる。
そりゃそうです。
AIからしたら、「いや、あなた誰なんですか?」状態なので。笑
自己紹介ゼロで“いい感じに”は、さすがに無茶振りで草www
僕自身、AIを使っていろんなアウトプットを作ることが多いです。
noteの壁打ち、資料の構成、サービスの整理、投稿文のたたき台。
そのたびに、自分の背景情報や事業の方向性を渡して、「だからこういうものを作りたいんです」と伝えています。
すると、AIの返してくれるものの質がかなり変わります。
そしてこれは、AIに限った話ではありません。
人でも同じです。
誰かに仕事をお願いするとき。
誰かに紹介してもらうとき。
協業の相談をするとき。
自分がどういう人で、何をやりたくて、どんな価値を届けたいのかが見えているほど、相手は理解しやすくなります。
共感もしやすくなる。
提案もしやすくなる。
紹介もしやすくなる。
AIへの事前説明は、人への事前説明でもある。
だから、AIを使う人だけが事業コンテキストをまとめたほうがいい、という話ではありません。
AIを使うかどうかに関係なく、ビジネスをしているなら、自分のことをすぐ伝えられる状態にしておいたほうがいい。
すべてが楽になります。
最低限まとめておいたほうがいいこと
では、何をまとめておけばいいのか。
最低限で言うと、僕はこのあたりだと思っています。
- どんなサービスを提供しているのか
- 誰に向けたサービスなのか
- どんな価値を届けるのか
- なぜそのサービスをやりたいのか
- どんな思いでやっているのか
- 実績、または価値提供できる根拠
- 過去の経歴
- 自分の強み
- 苦手なこと、できないこと
サービス内容そのものは、もちろん大事です。
でも、今の時代、完全に目新しいサービスを作るのはかなり難しいと思っています。
ホームページ制作も、営業資料制作も、チラシ制作も、世の中に山ほどあります。
キャリアコーチングも、SNS運用支援も、AI活用支援も、すでにたくさんある。
じゃあ、その中でなぜ選ばれるのか。
結局、そこには「その人がやる理由」が必要になると思うんです。
サービスがあふれている時代だからこそ、“なぜあなたがそれをやるのか”が選ばれる理由になる。
AIで代替できることも増えていきます。
それでも、人に頼みたいと思う理由があるとしたら、その人の思いや、背景や、価値観が乗っているからだと思います。
だからこそ、サービスの「What」だけではなく、「Why」まで言葉にしておく。
そして、強みだけではなく、苦手なことも書いておく。
僕自身も、自分ができることだけではなく「これはできません」「こういう進め方は苦手です」ということも、なるべく言葉にしています。
できないことが見えているほうが、お客さんも相談しやすい。
お互いに期待値がずれにくい。
結果的に、信頼につながると思っています。
一番詰まりやすいのは「誰にどんな価値を届けるか」
クライアントさんと話していて、一番詰まりやすいのはここです。
「そのサービスの価値って何ですか?」
意外と、ここをうまく答えられないことが多いです。
たとえば、キャリアコーチングをしたい方がいたとします。
「どんな価値を届けるんですか?」と聞くと、
「目標を明確にできます」
「キャリアプランがわかります」
といった言葉が出てくる。
もちろん、それ自体は間違っていません。
でも、まだ少し一般的です。
そこからさらに、
なぜそれをやりたいのか。
どんな人が、その価値を本当に必要としているのか。
その人は今、何に困っているのか。
自分のどんな経験が、その人の役に立つのか。
そうやって掘っていくと、少しずつその人らしい言葉が出てきます。
逆にここが浅いままだと、ターゲットも広くなりがちです。
「30代の働く女性です」
みたいな形です。
もちろん、それが悪いわけではありません。
でも、そのままだと誰に向けた言葉なのかがぼやけやすい。
ターゲットが広すぎると、訴求が浅くなります。
ただし、ここで勘違いしてはいけないのは、最初から完璧に絞り切る必要はないということです。
大事なのは、正解を出すことではありません。
“この人に届くはずだ”という仮説を持つこと。
ホームページも、チラシも、営業資料も、ある意味では仮説検証の道具です。
「この人にこう伝えたら届くのではないか」
そう考えて作ってみる。
実際に出してみる。
反応を見る。
違ったら直す。
この繰り返しです。
だからこそ、制作物を作る前に、自分なりの仮説を持っておくことが大事なんです。
僕自身も「資料作成の人」だった
偉そうに書いていますが、僕自身も最初から自分の価値を言語化できていたわけではありません。
むしろ、全然わかっていませんでした。
最初は資料作成から始めました。
自分の中でも、「それっぽい資料を作れる人」くらいの認識だったと思います。
紹介されるときも、「資料作成の人」でした。
もっと言うと、保険業界の方に「保険のチラシを作ってくれる人」として紹介されていたのがスタートです。
もちろん、それはそれでありがたいことです。
でも、自分が本当にやりたいことは、単に資料をきれいに作ることではありませんでした。
頭の中にある思いや、やりたいことを言語化する。
それを、目的に合わせてチラシやホームページ、営業資料という形に変換する。
「あなたの想いを、届くカタチにする」
今は、そういう言葉で自分の仕事を説明できるようになりました。
すると、紹介される相談の内容も少しずつ変わってきました。
「これから事業をやっていきたいけど、何から手をつければいいかわからない」
「サービスはあるけど、どう世の中に広めればいいか一緒に考えてほしい」
「副業を始めたいけど、整理を手伝ってほしい」
そういう相談をいただくことが増えました。
これは、自分自身のコンテキストがはっきりしてきたからだと思っています。
自分が何をしている人なのか。
どんな人の役に立てるのか。
何が得意で、何が苦手なのか。
それが伝わるようになると、ちゃんと刺さる人に届きやすくなる。
紹介する側も、「この人ならむらやんに相談したらよさそう」と思いやすくなる。
言葉にするって、やっぱり大事なんです。
まずは音声入力でバーッと話してみる
では、自分の事業コンテキストをどうまとめればいいのか。
これは正直、人それぞれでいいと思っています。
手書きが合う人もいる。
パソコンで整理するのが得意な人もいる。
マインドマップがいい人もいる。
その人によって、脳の使い方や、やりやすい方法は違います。
ただ、僕みたいなタイプには、音声入力がかなりおすすめです。
僕は、紙に書こうとすると字が気になります。
ノートの罫線に沿ってきれいに書きたくなる。
パソコンで書こうとすると、見出しをつけたり、箇条書きにしたり、順番を直したりしたくなる。
気づいたら、考えるより先に「完成品を作るモード」になっている。
そして、全然前に進まない。
まだ素材出しの段階なのに、急に編集長出てくるのやめてwww
だから、まずはAIに音声入力でバーッと話すのが一番よかったです。
順番なんて気にしなくていい。
「えー」とか「あのー」とか入ってもいい。
話が前後してもいい。
思いついたことをそのまま話す。
あとでAIが整理してくれます。
たとえば、最初にこう伝えればいいと思います。
自分の事業内容を整理したいです。
まだまとまっていないので、僕が話す内容をもとに、
事業内容、ターゲット、提供価値、思い、強み、苦手なことに分けて整理してください。
必要であれば、質問しながら深掘りしてください。
何を話せばいいかわからない人は、AIに質問してもらえばいいです。
何から話せばいいかわからないので、
僕のサービスを整理するために順番に質問してください。
一問一答で進めてください。
これだけでも、かなり進みます。
いきなり完成品を作ろうとしなくていいんです。
まずは素材を出す。
そのあとで整理する。
この順番のほうが、圧倒的に楽です。
まとめられないなら、誰かに頼っていい
とはいえ、AIが苦手な人もいると思います。
ChatGPTやClaudeを触ってみたけど、いまいちうまく使えない。
質問されても、何を答えればいいかわからない。
話してみたけど、結局まとまらない。
そういう人は、無理にひとりで抱えなくていいと思っています。
僕みたいに、ざっくばらんに話を聞きながら整理する人を頼ってください。
断片的な資料でもいいです。
口頭でもいいです。
過去に作ったチラシや、営業資料や、メモでもいい。
そこから一緒に言葉を拾って、事業コンテキストとしてまとめていくことはできます。
ホームページやチラシ、営業資料を作る前に。
まずは、自分のことを言葉にしておく。
それだけで、制作物の質も、AIのアウトプットも、人への伝わり方も変わります。
まずはAIへの音声入力を試してみる。無理なら相談する。
最初の一歩は、それくらいでいいと思います。
最後まで読んでいただき、本当にありがとうございます。
もし今、ホームページやチラシ、営業資料を作りたいと思っているなら。
いきなり制作に入る前に、一度だけ立ち止まってみてください。
「自分は誰に、どんな価値を、なぜ届けたいのか」
ここが言葉になるだけで、次に作るものはかなり変わります。
事業の言語化や、AIを使った整理を一緒にやってみたい方は、X(@murayan_katachi)のDMへ。
気軽に話しかけてください!!!
Author
村上龍平
カタチ舎代表。言葉、生成AI活用、資料・Web制作を行き来しながら、事業の考えを届く形へ整理しています。