副業やフリーランスを始めるとき、最初にほしくなるものがあります。
それは、地図です。
どこに向かえばいいのか。
何から始めればいいのか。
どの順番で進めればいいのか。
どこまで準備したら外に出していいのか。
できれば、最初から全部見えていてほしい。
6ヶ月後、1年後、3年後。
自分がどうなっているのか、どんな商品を持っていて、誰に届けていて、いくら売上があって、どんな働き方をしているのか。
その全体像が分かってから、安心して一歩を踏み出したい。
僕もそうでした。
でも最近、思うんです。
地図は、完成させてから歩くものではないのかもしれない。
むしろ、歩きながら更新していくものなんじゃないか。
白紙の地図に、最初の線を引く。
その線があるから、次の景色が見えてくる。
今日は、ノウハウというより、少しだけ思想寄りの話を書いてみます。
最初から地図がある人なんて、たぶんいない
副業やフリーランスの発信を見ていると、みんな最初から地図を持っていたように見えることがあります。
やることが明確で。
商品設計も整っていて。
発信の軸も決まっていて。
実績もあって。
プロフィールもきれいで。
迷いなく進んでいるように見える。
それを見ると、自分だけが白紙の前にいるような気持ちになります。
「自分は何を売ればいいんだろう」
「誰に届ければいいんだろう」
「これでお金をいただいていいんだろう」
「もっと準備してからの方がいいんじゃないか」
分からないことが多すぎて、動く前に疲れてしまう。
地図を作るつもりが、地図の作り方を調べ始める。
そのうち、他の人の地図ばかり見て、自分の地図は白紙のまま。
これ、けっこうあるあるだと思います。
でも、たぶん最初から地図が完成している人なんて、ほとんどいません。
完成しているように見える地図も、後から振り返って線をつなげたものだったりします。
そのときは、みんな手探りだったはずです。
白紙が怖いのは、真剣だからだと思う
白紙の地図を前にすると、怖くなります。
何を書いていいか分からない。
間違えたらどうしよう。
変な方向に進んだらどうしよう。
時間を無駄にしたらどうしよう。
誰にも求められなかったらどうしよう。
この怖さは、サボっているから出るものではないと思います。
むしろ、ちゃんと考えているから出る。
自分の時間を大事にしたい。
相手に迷惑をかけたくない。
ちゃんと価値を届けたい。
できれば失敗したくない。
そう思うから、動けなくなる。
だから、動けない自分を責めなくていいです。
白紙が怖いのは、ちゃんと向き合っている証拠でもあります。
ただ、そのまま白紙を見つめ続けていると、地図は地図のまま始まりません。
どこかで一本、線を引く必要があります。
最初の線は、正解の線ではなく、確かめるための線。
この感覚があると、少しだけ手が動きやすくなります。
僕の最初の線は「資料作成」だった
僕の場合、最初の線は資料作成でした。
保険営業時代に営業資料を作っていたこともあり、会社を辞めた後も資料作成の仕事をいただくようになりました。
最初は、自分は資料を作る人なんだと思っていました。
でも、歩いてみると少し違いました。
もちろん資料を作ること自体も大事です。
でも、相手が本当に困っていたのは、きれいなスライドがないことだけではありませんでした。
頭の中にある情報が散らかっている。
サービスの魅力をどう伝えればいいか分からない。
誰に何を言えばいいか、順番が決まっていない。
想いはあるけど、言葉になっていない。
そこに困っている人が多かったんです。
だから僕の線は、少しずつ変わっていきました。
「資料作成」から、
「情報整理」
「構成支援」
「言語化」
「資料やWebに落とし込むこと」
へと、だんだん広がっていった。
これは、最初から分かっていたことではありません。
最初の線を引いて、歩いてみたから分かりました。
もし最初から完璧な肩書きや商品名を探し続けていたら、たぶん今も地図の前で固まっていたと思います。
線を引くとは、誰かに向けて言葉を出すこと
白紙の地図に線を引く。
これは、大きな挑戦だけを指すわけではありません。
会社を辞めること。
大きなサービスを公開すること。
何十万円の商品を売ること。
そういう分かりやすい一歩だけではない。
もっと小さくていいと思っています。
たとえば、
「こういうことで困っている人はいませんか?」と書いてみる。
知人に一人、話を聞かせてもらう。
モニター商品を3人だけ募集してみる。
Xのプロフィールに一文だけ足してみる。
提案資料のたたき台を作って、誰かに見てもらう。
これも全部、線です。
地図の上に、自分の仮説を置く行為です。
そして線を引くと、必ず何かが返ってきます。
反応があるかもしれない。
反応がないかもしれない。
思っていた人ではない人から声がかかるかもしれない。
自分が想定していた困りごととは、少し違う話が出てくるかもしれない。
それでいいんです。
返ってきたものを見て、地図を直せばいい。
地図は、外に出した言葉への反応で更新されていく。
頭の中だけでは、なかなか更新されません。
間違った線も、無駄にはならない
最初に引いた線が、思っていた方向と違うこともあります。
募集してみたけど、反応がなかった。
話を聞いてみたけど、あまり困っていなかった。
やってみたら、自分が思ったよりしんどかった。
価格が合わなかった。
説明が伝わらなかった。
そういうことは普通にあります。
あります。普通にあります。ここ大事なので二回言いました。
でも、それは失敗というより、地図が少し詳しくなったということです。
こっちの道は、今は違うかもしれない。
この言葉では伝わりにくいかもしれない。
この対象者より、別の人の方が困っているかもしれない。
この価格では続けにくいかもしれない。
そう分かったなら、地図は更新されています。
何もしなければ、何も分かりません。
白紙はきれいなままです。
でも、きれいな白紙のままでは、どこにも進めない。
少し汚れてもいい。
線が曲がってもいい。
消し跡が残ってもいい。
歩いた跡がある地図の方が、自分にとって使える地図になります。
完成より、更新できる状態を目指す
副業やフリーランス初期に目指したいのは、完成した地図を持つことではないと思っています。
むしろ、更新できる状態を作ること。
仮で決める。
外に出す。
反応を見る。
振り返る。
少し直す。
また出す。
この循環ができると、少しずつ進めます。
商品名も、肩書きも、価格も、提案先も、最初から正解でなくていい。
自分の当たり前が、誰かの困りごとに届くかどうかを確かめていく。
その過程で、言葉が磨かれていく。
価値が見えてくる。
自分の進みたい方向も、だんだん分かってくる。
カタチ舎としてやっている「言語化」や「情報整理」も、まさにそのための仕事だと思っています。
頭の中にあるものを、いったん外に出す。
並べる。
分ける。
順番をつける。
人に届く形にする。
そうすると、次の一歩が見える。
地図が少しだけ進む。
最初の線を、今日ひとつだけ
もし今、白紙の地図の前で止まっているなら、今日やることは大きくなくていいです。
商品を完成させなくていい。
完璧な肩書きを決めなくていい。
立派なLPを作らなくていい。
まずは、一行だけでいいと思います。
僕は、〇〇で困っている人の、〇〇を手伝いたい。
これを書いてみる。
できれば、誰か一人の顔を思い浮かべながら。
その人に向けて、
「もし近いことで困っていたら、一度話を聞かせてもらえませんか?」
と下書きしてみる。
送るのは、今日じゃなくてもいいです。
でも、下書きするだけでも、白紙ではなくなります。
地図に最初の線が入ります。
その線が正しいかどうかは、歩いてみないと分かりません。
でも、歩けば分かります。
分かったら、直せます。
直せるなら、進めます。
最後まで読んでいただき、本当にありがとうございます。
この記事が、白紙の地図の前で止まっている人の背中を少しでも押せたら嬉しいです。
一人で地図を描き始めるのが難しいときは、カタチ舎でも一緒に整理できます。
X(@murayan_katachi)のDMから、気軽に声をかけてください。
あなたの頭の中にある線を、一緒に見える形にしていきましょう。
Author
村上龍平
カタチ舎代表。言葉、生成AI活用、資料・Web制作を行き来しながら、事業の考えを届く形へ整理しています。