生成AI・ツール活用 / 2026-06-16

AIで公式LINEのミニ講座を内製した話。サードパーティーアプリなしでも導線は作れる

公式LINEに、7日間のミニ講座を実装しました。 登録すると、毎日1つずつ読み物とワークが届く。 ワークに答えると、回答控えがLINEに返ってくる。 進捗はスタンプカードのように確認できる。 7日分すべて回答すると、最後にAIが回答を統...

AIで公式LINEのミニ講座を内製したアイキャッチ

公式LINEに、7日間のミニ講座を実装しました。

登録すると、毎日1つずつ読み物とワークが届く。

ワークに答えると、回答控えがLINEに返ってくる。

進捗はスタンプカードのように確認できる。

7日分すべて回答すると、最後にAIが回答を統合して「事業整理ドキュメント」を作る。

そんな仕組みです。

普通に考えると、こういうことをやるには、有料のサードパーティーアプリを入れたり、LINE連携サービスを契約したり、外部の開発会社に依頼したりする必要があります。

もちろん、そういうサービスは便利です。

管理画面も整っているし、ステップ配信やフォーム連携もすぐ使えます。

ただ今回は、Codexとやり取りしながら、カタチ舎の公式LINEに合わせて、かなりの部分を自前で作りました。

正確に言うと、LINEの公式機能やMessaging APIを使いながら、カタチ舎用の小さな運用基盤を作った形です。

結果として、公式LINEがただのお知らせ配信ではなく、「相談前に頭の中を整理する小さな体験」になりました。

これ、かなり面白いです。

「LINEをどう活用するか」という話でもあるのですが、それ以上に、AI内製化の分かりやすい事例だと思っています。

外部ツールに合わせて運用を変えるのではなく、自社の導線に合わせて仕組みを作る。

完璧な大規模システムではなくても、必要な体験から小さく作る。

今回は、公式LINE上にミニ講座を作った話を、技術的なことは少しだけ混ぜながら整理してみます。


公式LINEは、配信ツールではなく小さな体験にできる

公式LINEを一方通行の配信から参加型の体験へ変えるイラスト
公式LINEを一方通行の配信から参加型の体験へ変えるイラスト

公式LINEというと、最初に思い浮かぶのは配信かもしれません。

キャンペーンのお知らせ。

セミナーの案内。

ブログ更新のお知らせ。

クーポンやキャンペーン情報。

もちろん、それも大事です。

ただ、カタチ舎のような相談型のサービスでは、登録直後にいきなり売り込むより、まず「考えを整理する時間」を渡した方が自然だと感じていました。

ホームページを読んでくれた人が、すぐ問い合わせるとは限りません。

むしろ、多くの人はまだ言葉になっていない状態です。

自分は何に困っているのか。

何を相談すればいいのか。

商品づくりなのか、発信なのか、ホームページなのか、AI活用なのか。

そのあたりが混ざっている。

だから、LINE登録後の体験も「こちらから情報を送る」だけでは足りないと思いました。

読んで、少し答えて、自分の状況が整理される。

この流れにしたかったんです。

今回作った7日間ワークは、まさにそのための仕組みです。

登録者に毎日1つずつ問いを届ける。

答えた内容を控えとして返す。

進み具合を見えるようにする。

最後に、自分専用の整理ドキュメントとしてまとめる。

こうすると、公式LINEはただの配信先ではなくなります。

お客さんが自分の課題を整理する、小さな体験の場になります。

LINEは日常的に開く場所なので、重いログインや新しいアプリ登録を求めなくても、自然に戻ってきやすい。

そこに小さな講座やワークを置けると、ホームページから相談までの間に、かなりよい「余白」ができます。

いきなり無料相談へ押し込むのではなく、まず自分の状況を整理してもらう。

その上で必要な人だけ相談に進む。

相談型のサービスには、この距離感が合っていると思っています。


作ったのは、7日間で事業を整理するミニ講座

7日間のワークカードが進み最後に事業整理ドキュメントへつながるイラスト
7日間のワークカードが進み最後に事業整理ドキュメントへつながるイラスト

今回のミニ講座は、7日間で事業のモヤモヤを整理する流れにしました。

毎日、短い読み物とワークを1つ届けます。

テーマは、商品、届けたい相手、提供価値、導線、判断材料、今月の実装テーマ、相談前ブリーフ。

かなり実務寄りです。

ただの精神論やモチベーション配信ではなく、7日後に「自分は何を相談したいのか」が少し見える状態を目指しています。

具体的には、こんな流れです。

Day 1では、今の現在地を整理する。

Day 2では、届けたい相手の場面を考える。

Day 3では、提供価値のBefore/Afterを見る。

Day 4では、今ある接点と導線を棚卸しする。

Day 5では、判断材料を整理する。

Day 6では、今月の実装テーマを決める。

Day 7では、相談前ブリーフとしてまとめる。

1日で全部やろうとすると重いです。

でも、1日1つなら取り組みやすい。

しかも、回答するたびにLINEへ控えが返ってくるので、自分の考えが少しずつ残ります。

ここが大事です。

ただ読んだだけだと、内容は流れていきます。

でも、自分の言葉で少し答えると、LINEの中に考えた跡が残る。

あとから見返したときに、「自分はこう書いていたんだ」と分かる。

さらに、7日分がそろうと、AIがそれを1つの事業整理ドキュメントにまとめます。

この完成物は、本人が読み返すためにも使えます。

30分相談の前に送ってもらえれば、こちらも状況を把握しやすくなります。

つまり、LINE登録特典で終わらず、相談の質を上げる準備にもなるわけです。

これは、かなりカタチ舎らしい導線だと思っています。

「考える」「言葉にする」「形にする」を、LINEの中で少しだけ体験してもらう。

それが今回のミニ講座です。


有料ツールを使わずに自前化した範囲

有料ツールの箱ではなく自社用の小さなLINE運用基盤を組み立てるイラスト
有料ツールの箱ではなく自社用の小さなLINE運用基盤を組み立てるイラスト

今回の仕組みは、LINE公式アカウントの管理画面だけで完結しているわけではありません。

LINEの標準機能も使っていますが、カタチ舎のサーバー側に小さな運用基盤を作っています。

ざっくり言うと、次のような範囲です。

友だち追加時の自動応答。

7日間ワークへの登録。

日別ワークURLの発行。

フォーム回答の保存。

回答控えのLINE返信。

スタンプカード形式の進捗確認。

未回答日の確認。

7日完了後のAI整理ドキュメント生成。

管理画面での回答確認。

リッチメニューからの導線。

ここまでを、外部の有料LINE連携サービスに丸ごと乗せるのではなく、自社のホームページ側の仕組みに寄せて作りました。

もちろん、完全に無料という意味ではありません。

サーバーは必要ですし、AI生成を使うならAPI費用がかかる場合もあります。

でも、外部サービスの月額契約を増やさず、自社の導線に合わせて設計できるのは大きいです。

たとえば、今回のように「毎日の回答ではAIを呼ばない」という判断もできます。

AIを使うのは最後の1回だけ。

7日分の回答がそろい、本人が同意した場合だけ、生成AIで整理する。

こうすると、費用も制御しやすいし、AIの使いどころも分かりやすい。

外部ツールを使うと、どうしても用意された機能や画面に合わせる場面が出てきます。

それが悪いわけではありません。

ただ、自社のサービス導線にぴったり合わせたい場合は、少し窮屈になることもあります。

今回のような自前化では、必要な機能だけを小さく作り、反応を見ながら直せます。

「7問ワーク」と「7日間ワーク」を分ける。

スタンプカードをショップカード機能ではなく、自前の進捗表示にする。

相談前ブリーフとして使える形にする。

こういう細かい調整ができるのが、自前化の強みです。


技術の要点は、個別URL・回答保存・最後のAI生成

個別URLから回答保存を経て最後だけAI整理を行う流れのイラスト
個別URLから回答保存を経て最後だけAI整理を行う流れのイラスト

技術的なことも、少しだけ書いておきます。

ただし、ここではコードの細かい話ではなく、考え方だけにします。

LINE Developersの Messaging API公式ドキュメント には、メッセージ送信、Webhook、ユーザーID取得、リッチメニューなどの項目が整理されています。

今回も、その考え方をベースにしています。

大事なのは、LINEの中だけで全部を完結させようとしすぎないことでした。

LINEのトーク画面は、短い案内や通知には向いています。

でも、複数の質問に答えてもらうフォームや、長めの整理結果を読む画面は、Webページにした方が扱いやすい。

そこで、LINEユーザーごとに個別URLを発行し、そのURLからワークに回答してもらう形にしました。

この個別URLがあると、誰の回答なのかを紐づけやすくなります。

しかも、フォーム側では入力欄や説明文を自由に作れます。

LINEの中では短く案内する。

回答はWebフォームで受ける。

結果や控えはLINEに返す。

この役割分担にしたことで、かなり安定しました。

リッチメニューも同じです。

LINE Developersの リッチメニュー公式ドキュメント では、画像を用意し、タップ領域を設定し、デフォルト表示にする流れが説明されています。

今回も、リッチメニューから「7日ワーク」「進捗」「使い方」へ戻れるようにしています。

ユーザーが途中で迷ったときに、どこへ行けばいいか分かるようにするためです。

もう1つ大事なのが、AIを呼ぶタイミングです。

毎日の回答ごとにAIを呼ぶと、費用も処理も重くなります。

それに、1日分の回答だけでは、まだ整理ドキュメントを作る材料として薄い。

だから、毎日は保存と控え返信だけ。

7日分がそろって、本人がAI整理に同意したときだけ、最後に1回AIを呼ぶ。

この設計にしました。

LIFFやユーザー情報の扱いについては、LINE Developersの LIFFでユーザーデータを扱う公式ドキュメント も参考になります。

ただ、実務では「画面から送られてきたIDをそのまま信じない」「サーバー側で検証する」「公開ディレクトリに秘密情報を置かない」といった基本も重要です。

AI活用は、派手な生成部分に目が行きます。

でも、実際に運用するなら、個別URL、保存、同意、回数制限、確認画面の方が大事です。

ここを雑にすると、便利な仕組みではなく、怖い仕組みになります。


AI内製化の価値は、自由度と改善スピードにある

自社のLINE導線をボード上で何度も組み替えて改善するイラスト
自社のLINE導線をボード上で何度も組み替えて改善するイラスト

今回やってみて一番感じたのは、AI内製化の価値は「安く作れること」だけではないということです。

もちろん、コストを抑えられる場面はあります。

有料ツールを何個も契約しなくて済む場合もあります。

でも、それ以上に大きいのは、自由度と改善スピードです。

たとえば今回も、最初から今の形が見えていたわけではありません。

最初は、7問ワークをLINE登録特典として渡す想定でした。

そこから、7日間の教育配信を考えました。

さらに、ただ読むだけでは弱いと感じて、日別ワーク型に変えました。

そこにスタンプカードを足しました。

未回答日を確認できるようにしました。

最後に、7日分の回答から事業整理ドキュメントを作る形にしました。

これを外部ツールの設定画面だけでやろうとすると、どこかで制約が出ます。

でも、Codexとやり取りしながら自社用に作っていると、考えながら直せます。

「この言い方だと売り込みが強い」

「リッチメニューは月額伴走より使い方を優先した方がいい」

「7問ワークと7日間ワークは役割を分けた方がいい」

「AI生成は毎日ではなく最後の1回にした方がいい」

こういう判断を、その場で設計に反映できます。

AI内製化というと、すごい自動化や複雑なシステムを想像するかもしれません。

でも、最初に価値が出るのは、こういう小さな改善です。

自社の言葉に合わせる。

自社のお客さんの温度感に合わせる。

相談前の不安に合わせる。

反応を見て、配信文やワークの問いを直す。

この改善を外注や有料ツールの範囲だけに任せると、どうしてもスピードが落ちます。

逆に、自社で考え、自社で直せる状態になると、導線は育てやすくなります。

生成AIの業務自動化は、いきなり連携より社内メモの型化から始める でも書きましたが、最初に大事なのは派手な連携ではなく、業務や導線の型を見えるようにすることです。

公式LINEも同じです。

ただ配信するのではなく、登録後にどんな体験をしてほしいのか。

どの情報を受け取り、どこで人が確認し、どこでAIを使うのか。

ここを設計できると、LINEはかなり自由に使えます。


まずは公式LINEで体験してから、自社版を考えてみてください

公式LINEでワークを体験し自社版の導線を相談するイラスト
公式LINEでワークを体験し自社版の導線を相談するイラスト

今回作った仕組みは、カタチ舎だけの特殊なものではありません。

コーチ、講師、カウンセラー、士業、地域店舗、スクール、BtoBサービスでも応用できます。

たとえば、LINE登録後に簡易診断を出す。

講座の予習ワークを配信する。

来店前のヒアリングを受ける。

セミナー参加前に課題を整理してもらう。

回答内容から相談前メモを作る。

こういう導線は、業種に合わせて作れます。

大事なのは、最初から大きなシステムにしようとしないことです。

まず、登録した人にどんな変化が起きてほしいのかを決める。

それを1日1問、または数問のワークに分ける。

回答を保存する。

必要なタイミングだけAIで整理する。

最後に、相談や購入や来店につながる自然な導線を置く。

このくらいの順番で考えると、公式LINEはかなり作りやすくなります。

気になる方は、まず実際にカタチ舎の公式LINEで体験してみてください。

カタチ舎の公式LINEに登録する

登録後は、7問ワークや7日間ワークを通じて、事業のモヤモヤを相談テーマに変える流れを体験できます。

「自社でも、こういうLINE導線を作れそうか知りたい」

「サードパーティーアプリに頼りきらず、自社に合わせて公式LINEをカスタマイズしたい」

「AIを使って、問い合わせ前のヒアリングや講座体験を内製化したい」

そう感じた方は、AI内製化パートナー も見てみてください。

カタチ舎では、ツールを紹介して終わりではなく、業務棚卸し、導線設計、LINEやフォームの体験設計、AIを使うタイミングの整理まで一緒に考えています。

公式LINEは、ただ配信するだけの場所ではありません。

自社のお客さんが、相談前に一歩進める場所にできます。

その小さな体験を、AIとCodexを使いながら、自社で育てていく。

これが、これからの小規模事業者にとってかなり現実的なAI内製化だと思っています。


Author

村上龍平

カタチ舎代表。言葉、生成AI活用、資料・Web制作を行き来しながら、事業の考えを届く形へ整理しています。

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